2012/06/26

ほぼ防水LEDライトの作成


「高輝度/パワーLED活用テクニック」という本の中で、「高輝度LEDで作る集魚灯」という記事がありました。

書籍の紹介@YS DESIGN STUDIO

水中に沈めるものなので、当然防水のLEDライトになります。私は魚釣りはしないのですが、防水LEDライトに興味があったので楽しく読ませてもらいました。

防水LEDライトの作り方ですが、大まかに言うと
  1. 透明なアクリルパイプなど、水圧に負けない頑丈で透明な外殻にすること
  2. 電源は外部供給が望ましい(場合に応じた電源が選べる)
の2点が重要とのこと。

その他に、大量のLEDを効率的に点灯するには、LEDをいくつか直列でつなぎ、LEDストリングを作るのが常套手段ということもわかりました。LEDストリングの輝度を均一化させるために、カレントミラー回路を使用するとよい、という情報も得ました。


私も似たような物を作ってみたくなったので、さっそく作ることに。

作る物のイメージ
  • 生活防水ぐらいのLEDライト
  • 交通整理の人とか駐車場整理の人が振っている棒の白色LEDバージョン
  • 点滅しなくていい
  • 電源は外部から供給
  • 夜の散歩とかキャンプにいったときに使える感じにする
  • 4~5時間連続稼働できればOK。 電池が切れたら別のに交換する
  • 指向性が高いLEDライトはもう作ったので、広範囲でそこそこの明るさのものが欲しい


部品の選定基準
LED:角型白色LED。どちらかというと暖色系の方がよい。
電源:電池の電圧から20V程度の電圧を作れるもの。入手性がよく、簡単に使えるもの。


今回選んだ部品
昇圧回路:昇圧型DC-DCコンバータ5~25V可変出力電力モジュールキット(秋月) 500円
LED: OSM57LZ161D 10個入り 2パック(@400x2  800円)
定電流ダイオード:手持ちの 15mAのもの 2本(E-153 @50)
アクリルパイプ:外形25mm程度、厚み2mm程度 長さ300mm程度の適当なもの。 私は会社でゴミになる透明なアクリルパイプを1本もらってきて適当な長さに切って作りました。
基板用トグルスイッチ 1個。電源のON/OFF用


昇圧&点灯テスト
DC-DCコンバータモジュールは最大出力電圧が25Vですが、キリがよい24Vに調節しました。調節用の可変抵抗は動かないようにホットボンドで固めました。今回はLEDを7つ直列にし、定電流ダイオードでLEDストリングの電流を調節することにしました。LEDの数は実際に点灯させて調節しました。

概要図
記事ではカレントミラー回路を使用していましたが、LEDストリング間で電流が多少バラついても気にしないのと、定電流ダイオードも高い部品ではなくなってきているので、LEDストリングごとに定電流ダイオードをつける方式にしました。

ブレッドボードでテストした段階では、全体の消費電力はLED14個+CRD2個で24V 28mAとなり、 約0.67W、電池の方からは5.2V 150mA となっていたので約0.78Wとなっていました。
電池は1.2V 1900mAh  x4本なので、5~6時間は連続稼働するんじゃないかな~と思います。


電源ケーブル
今回のLEDライトは電源を外部にしたので、電源ユニットとLEDライトを結ぶ電源ケーブルが必要です。また、電源ケーブルはそこそこ荒く扱われても断線しないものが必要となります。
そのため、今回はねじられても踏まれても曲げられても健気に頑張るLANケーブルを利用することにしました。

LANケーブルはその辺にあるのを使うとして、ケーブルの受け口も必要になります。秋月電子でLANポート金具とDIP変換基板があったのでそれを使ってLANケーブルで給電できるようにしておきました。本来は信号線を2対使って給電するのがPoEの規格になっているのですが、今回はオレオレ給電なので外側の2本を24VとGNDとして使っています。


本体の防水加工
LEDと定電流ダイオードはユニバーサル基板を細長く切ったものにはんだづけしたので、アクリルパイプに入れて防水加工する必要があります。片側は適当な大きさのキャップの内側にホットボンドを山盛りにし、熱いうちにふたをしました。もう片方は電源ケーブルを出す必要があるので、電源ケーブルの終端に折り紙をぐるぐる巻きにして押し込むようにケーブルを収めてから、余った部分にホットボンドを盛りました。お風呂に沈めてはいないのですが、多分防水になっていることでしょう。


電源部分の加工
毎回悩む電池ケース部分。今回も100円均一で売ってるポリプロピレンのタッパーにしました。
LANポート金具の部分が外に出るようにカッターで切って、あとはみんな大好きホットボンドでひたすら盛りました。


 
自家用ならではの見た目度外視工作



出来上がり

行き当たりばったりで作った”ほぼ”防水LEDライト。
ケーブルの長さが1mぐらいしかありませんが、LANの延長コネクタをはさめば数十メートルは延長できます。アクリルパイプの外側を粗めの紙ヤスリでヤスリがけしたので、そこそこいい感じに光が拡散するようになりました。



本体部分の大きさは約30センチ。

点灯中の様子。電球色なので柔らかい感じに


今のところキャンプにいく予定はありませんが、夜の散歩でフィールドテストを重ねようと思います。


ではまた。